路地裏

あらゆるどうでもいいことを書きます。

コミュニケーションのススメ

 人見知りが激しい。人見知りの中でもかなり特殊なのではないかと思うのであんまり言いたくはないというか、言ってもまったく頷いてもらえないのだけど。

 

 まず人間が好きだ。人間と話していて特に飽きることがない。中身のない会話も面白ければ歓迎だ。

 とはいえ人間は恐ろしいので、初対面でフランクにいけるほど勇気を持てない。笑みを最初から浮かべられない。声をかけて、次の言葉を見つけていない。

 昔教師から説教されてた時、目を見て聞いてたら「なんだその目は!」と言われたのがトラウマで、人の目をまともに見られない。怖くて怖くてたまらない。

 

 コミュニケーションが苦手なことの根本は、「嫌われたくない」ということなのかなあと思う。言葉は一瞬でナイフになるので、誰でもかれでも傷つけることが出来るし、その割に傷はまるで癒えそうにない。少し親に目つきが悪いと言われただけで、ぼろぼろと泣いてしまった。

 どうにも止まらない涙を拭いながら、思った。この人はなんで俺を簡単に傷つけるのだろう。

 

 

 今にして思えばそれは単純で、親にとってはそれは傷では無かったのだろう。俺は心に穴が開いたような気持ちだったが、親の心はそこではなかったということ。誰だって基準は自分だろう。心の所在が人によって違うなんてことは、ちょっと変な人じゃないと気付けやしない。気付けた俺は幸運なやつだ。

 

 それで思ったが、コミュニケーション下手にとってのコミュニケーションは傷つけあいになってしまっているのじゃないかと思う。分かってやってるならいいけど、たぶんお互いに相手の事を傷つける人だと思っていて、お互いに傷つけてる自覚がない。それじゃどっちも幸せになれずに、コミュニケーションが嫌になってしまう。人間は楽しいから、それは多分もったいない。人にとやかく口出すことはできないけど。

 

 大事なのは、自分の機嫌を自分で取ることと、心に絶対防衛線を張ること。

 親に言われて泣いたのは、親の言うことをまともに受け止めたからだ。心をむき出しにして人と接してしまった。いや、それはいいんだけど、心のいちばん柔らかいとこはちゃんと守っておかなきゃならない。だから今は悪口を言われてもへこまないようにしている。

 で、不機嫌にならないこと。いやなってもいいけど、それを相手に出すのはよくない。コミュニケーションのルール違反。対等な立場で、フラットに成立させるべき。許せないことを許す必要はないけど、相手を自分の感情でコントロールするのもよろしくない。

 

 人と話すのは楽しい。それはある意味都合のいいことしか受け取らないからで、相手に対して敬意を持ってるから。人間の怖さまでひっくるめてコミュニケーションだから、そこの勇気だけは欠かさない。初対面では無理だけど。

 

 友達との初対面を思い出すと、みんなが歩み寄ってくれてた気がする。ありがたいなあ。俺も歩み寄りたいんだけどね。

 でもそこの勇気が出なくても、握手を求められて応じられるぐらいにはコミュニケーションが上手くなってほしい。人間、楽しいよ。

 

 コミュニケーションに悩む誰かに、届きますように。