路地裏

あらゆるどうでもいいことを書きます。

各駅、途中下車

 電車に長い事揺られてると、スマホをいじるより頭で考えるほうが楽しくなる。スマホをポッケにしまい、目まぐるしく変わっていく景色を目で追いかける。この電車で向かう先は、友達の街。会おうと思えば会える、簡単に会おうとは思えない、そのぐらいの距離にいる友達。けっこう、時間かかる。

 

 時間がかかると言えば、俺の精神が年を取るのも随分時間がかかっている気がする。疲労度と回復力はジジイにも劣るんだろうが、心の感じ方がいつまでもガキのようだな、と最近やっと思えるようになった。自覚が出るぐらいには成長したということだ。今21歳だけど、精神的にはやっと16とか7になったかなーという感じ。中学の頃、だんだん周りが付き合うとか付き合わないとか言ってた頃は一切女の子をそんな目で見れていなくて、ウルトラマンシリーズの必殺光線のポージングを真似したりだとか、定期購読する「ワールドサッカーダイジェスト」をもとに自分なりに世界ベストイレブンを決めたりだとか、そんなことばかりしていた。今でもしている。ウルトラマンZ、みなさん観てますか? 観ましょうね。

 

 要するにそんなことばかりいまだに好きなので、成長がどうにもたらんなーと思ってしまうのだ。俺がウルトラマンの人形を買ってる時に、みんなはギャツビーとかを買ってると思うとふぁーとなる。みんなはいつ仮面ライダーの変身ポージングを卒業するんですか?僕は生涯学習だと思ってるんですけど。あの、体育のあと友達のカバンから出てくる制汗スプレー、あれはなんなんですか?買い物中、俺の目に入ってきたことがないんですけど。

 

 という中学時代を経て、高校生となった。厳密には違うけど、それは割愛。

 この時代も、あんま変わってない。女の子が素敵だというのはわかるんだが、それを自分にかかわりのある事だと受け取ってなかった。恋愛はドラマのこと、漫画のこと。そう思っていた。

 

 でも高校にもなると、周りは結構付き合いだしてるもんだ。ということにもしばらくは気付かなかったのだが、気付いた。

 そこで焦ることが無かった。変わらず友達と好きなものの話題をしていたし、友達も結局そうだと思っていた。実際はそんなことなくて、みんなは友達もいるし恋人もいた。マルチタスクをこなせる人間は尊敬する。

 

 結局そんな高校時代も俺は何も変わらず終えた。友達を増やし、語彙力を増やし、趣味を増やし、それでも恋愛をよくわからないままだった。

 

 現在。なんとなーくその理由が分かったような、分からないような状態を終わらせようと、答えを出そうとしている。

 つまり俺は、人生の各ステージを、人より長く遊び呆けているのだろうと。目的地に着くこともなく、気になる景色で電車を降り、いまだ駅に戻らない。そうこうしているうちに、特急に乗った友達や各駅停車でも先に行った友達の存在を、やっと認識した状態なのだと思う。

 ならいまさら焦ってもしょうがないんじゃないか。慌てて電車に乗っても、どうせまた途中下車するんだ。遊べるだけ遊ぼうじゃん。

 あんがい皆、こっちに戻ってきたりしてな。