路地裏

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レアル・マドリーの理想形を模索する MF編

 ジダンの戦術におけるキーマンは、アンカーのカゼミーロだ。極めてオーソドックスなカウンターを志向し、基本的に選手の能力に委ねる攻撃を展開するジダン戦術では中盤の底で攻撃を止めてカウンターにつなげるカゼミーロは代えの利かない絶対的存在。もともとシャビ・アロンソ、クロースも獲得当初はこのポジションだったが、ジダンは中盤の創造性をある程度犠牲にしてカゼミーロを据えた。そこからCL3連覇を達成したように、ジダンの最大の英断と言ってもいい。

 現在、カゼミーロと同じ働きができる存在はマドリーにいない。可能性があるのは、万能型のバルベルデ。現在はモドリッチとスタメンを争うウルグアイ代表の21歳だ。ウルグアイ人らしく闘争心に溢れ、それでいて状況判断が適切。前線への飛び出しからカバーリングまですべてを高いレベルでこなすラ・リーガを代表する逸材だ。このままモドリッチの後継者としてポジションを奪う道も考えられるが、カゼミーロのバックアッパーとしても経験を積むだけに、このポジションで大成してほしい。

 

 一列前のインサイドハーフは、基本的にモドリッチとクロース。このクロースは現マドリー最高のタレントの一人で、イスコ、アセンシオと比べても差は歴然としている。モドリッチはやや落ちてきたがバルベルデの成長もありそこまで深刻な問題ではなく、ウイングと兼任で前述のイスコとアセンシオ、さらにスペインの未来を担うブラヒム・ディアスも控える。

 さらには先日、レンヌの超逸材・カマビンガを獲得するとの噂も出ている。17歳ながらプロで40試合以上に出場し、市場価格は5000万ユーロとも言われるフランスの至宝だ。インテンシティーが高く、ポジショニングセンスとビルドアップ能力にも優れる。アンカーとしては球際の激しさなど、守備能力に課題を残すが、今後の成長ではレジスタの能力を持つアンカーにもなりうる。実際に獲得できれば、若返りを目指すマドリーにとって理想の補強となるだろう。

 

 そして中盤でいま最も復帰が望まれるのが、レアル・ソシエダで超人的な活躍を見せていたマルティン・ウーデゴーだ。一時期は「消えた逸材」と思われていたが、フィテッセでの2年間でフィジカル的に大きく成長し、ソシエダで天賦の才能をいかんなく発揮している。特筆すべきはそのテクニック。長短、強弱、シチュエーションによってパスを自在に使い分けて決定機を演出する。守備の意識も向上し、豊富なスタミナで90分走り続ける。紛れもなく特別な才能の持ち主である。

 

 実際にカマビンガ、ウーデゴーがそろって加わるとすると、イスコはほぼ確実に放出になると思われる。興味の段階ではあるがレバークーゼンのカイ・ハベルツの獲得の可能性もマドリーは探っており、ここまで行くとタレントが完全に飽和状態。絶対的な主力になれていないイスコとアセンシオのうち、サポーター人気も高くまだまだ若いアセンシオは残る。逆にイスコはもともと市場人気もあり、本人も環境の変化を考える時期だろう。ウイングもこなす利便性は惜しいが、ロドリゴやヴィニシウスなど逸材揃いだけにダメージは最小限で済む。

 バルベルデ、クロース、カゼミーロ、そして予想ながらカマビンガ、ウーデゴーまで加われば、モドリッチを手放すという選択肢も十分視野に入る。元々今シーズンの始まる前はインテルと個人合意していたこともあり、クラブも売却を絶対許さないというスタンスではない。若返りを図るクラブ事情もあり、この夏、もしくはその次の夏には、MFの大刷新が行われるかもしれない。

 

最後はFW。