路地裏

あらゆるどうでもいいことを書きます。

劇場型不自由

 このあいだ、「シャザム!」を観た。字幕で。ネタバレ等あるのであんまり詳しくは言えないけど、DC史上最強クラスの映画でオチも思わず笑いがこぼれるほど面白いので是非観てほしい。

 

 自分でお金を稼ぎだしてから、友達とスケジュールが合わないこともあってたくさん映画を観るようになった。一人でバイクをぶっ飛ばして大型施設まで行って、いい席で一人でのびのび観る。最近だとグリーンブックとスパイダーバース、あとボヘミアン・ラプソディが最高だった。

 映画がすごく好きなんだけど、劇場もすごく好きだ。映画が終わるまでほとんどの人が席を立たない。誰もしゃべらない。動くことさえはばかられる。二時間も。

 それがなんか心地がいい。誰もが縛られてる。万有引力の話じゃないけど、誰もが望んで動かない感じがすごく好きだ。空間の呑み込む力というか。

 

 こういう夜の寝る前の時間って、とても自由だ。こんな誰が読んでいるかも分からないブログを書くのも自由だし、星を見上げるのも自由だし、何かに祈るのも自由。自由な時間って、何でもできる。けどそれがたまに不安になる。それを暇って呼ぶんだけどね。

 全能感と無力感が同時にあるのでとても心が不安定になるし、どこまででも行けるのでどこまで行ってしまうのかと果てしなく不安になる。

 

 でも劇場にはそれがない。人を受け入れ、縛って、何も考えず帰してくれる。夢のような空間。そこで観る映画がこれほどまでに意味を持ったのは、大人になって自由な時間が増えてからだと思う。だから最近の映画はどれもこれも心に残ってるし、思い出すたびに特別な気分になるのだろう。

 

 ああいう不自由は歓迎だ。自由な中で選んだ不自由。不安が無くて夢中になれる空間。

 

 そこで相談なんですけど、誰か一緒に不自由に没頭しませんかね?